パートタイム・有期雇用労働法


アルバイト・パートタイム


短時間労働者及び有期雇用労働者の雇用管理の改善等に関する法律
第2条 この法律において「短時間労働者」とは、一週間の所定労働時間が同一の事業主に雇用される通常の労働者(当該事業主に雇用される通常の労働者と同種の業務に従事する当該事業主に雇用される労働者にあっては、厚生労働省令で定める場合を除き、当該労働者と同種の業務に従事する当該通常の労働者)の一週間の所定労働時間に比し短い労働者をいう。
2 この法律において「有期雇用労働者」とは、事業主と期間の定めのある労働契約を締結している労働者をいう。
3 この法律において「短時間・有期雇用労働者」とは、短時間労働者及び有期雇用労働者をいう。


不合理な待遇差の禁止
正社員とパートタイム労働者・有期雇用労働者との間で、不合理な待遇差を設けることが禁止されています。正社員とアルバイトの待遇が異なること自体が悪いのではなく、不合理であるかどうかが問題になります。「同一労働同一賃金ガイドライン」にしたがって判断されます。待遇は賃金、賞与、手当、福利厚生、教育訓練など様々な面が対象です。

待遇に関する説明義務
アルバイト・パートタイム労働者は、正社員との待遇差の内容や理由について雇用者に説明を求めることができます。説明を求めたことを理由に不利益な扱いをすることは許されません。

紛争解決援助制度
都道府県労働局で、無料での紛争解決手続きを申し出ることができます。裁判よりも簡易で迅速に手続が進みます。

アルバイト

アルバイトと残業
アルバイトにも、残業に対しては労働基準法に従って割増料金が上乗せされます。1分単位で、25%増の時間給になります。法定休日の労働には35%増の時給になります(労働基準法37条)。
アルバイトと休憩時間
6時間以上労働した場合は45分以上、8時間以上労働した場合は1時間以上の休憩時間が与えられます(労働基準法32条)。
アルバイトと有給
6ヵ月以上継続して勤務しており、決められた出勤日の8割以上に出勤している場合は年次有給休暇がもらえます。厚生労働省労働基準法39条リーフレット
継続勤務年数 6か月 1年半 2年半 3年半 4年半 5年半 6年半
付与日数 10日 11日 12日 14日 16日 18日 20日
週所定労働日数が4日以下かつ週所定労働時間30時間未満の場合

週所定

労働日数
1年間の所定

労働日数
継続勤務年数
6か月
1年半
2年半
3年半
4年半
5年半
6年半
付与日数
4日
169〜216日
10
12
13
15
3日
121〜168日
10
11
2日
73〜120日
1日
48〜72日
例 年中無休のコンビニで月曜日と金曜日の週に2日(週所定労働日数)アルバイトをしている人。
2023年4月1日から2024年3月31日まで1年間継続して働いた。
上記の期間の月曜日52日、金曜日52日で計104日が決められた出勤日なので、104×0.8=83.2。
この期間に84日働いていたら年次有給休暇が3日もらえることになります。


有給として受け取ることができる額
アルバイトは1日の労働時間が定まっていないことが多いので、次のいずれかによって決めます。
a 過去3ヵ月の平均賃金 過去3か月間のアルバイト代合計額÷過去3か月間の日数 または 過去3か月間のアルバイト代合計額÷過去3か月に働いた日数×0.6
b 所定労働時間に労働した場合に支払われる通常賃金。日ごろ働いている時間が一定の場合など。
c 健康保険の標準報酬。社会保険料「標準報酬月額」を日割りした額。