労働条件について


労働基準法


労働基準法

第1条 労働条件は、労働者が人たるに値する生活を営むための必要を充たすべきものでなければならない。

2 この法律で定める労働条件の基準は最低のものであるから、労働関係の当事者は、この基準を理由として労働条件を低下させてはならないことはもとより、その向上を図るように努めなければならない。

労働基準法とは、労働者の労働時間・賃金・休憩時間・休日といった労働条件の最低基準を定めた法律です。最低基準なので、雇用者
と労働者が、これより条件の悪い条件で合意をしたとしても、それは無効であり、労働基準法が定めている基準が適用されることにな
ります。さらに、単に無効になるだけではなく、違反行為に対して働かせた者と会社の双方に刑罰が科されます(両罰規定)。会社の
上役が勝手に違反をしたのであって会社は関与していないと責任から逃れようとしても、会社が罰則を受けないためには、実際の違反
防止の措置をとっていなければ免れることは許されません。一方で労働基準法よりも労働者にとって条件が良い就業規則や合意(契
約)は有効とされます。


労働基準法上の刑事罰
労働基準法 第13章 罰則
第117条 第五条の規定に違反した者は、これを一年以上十年以下の懲役又は二十万円以上三百万円以下の罰金に処する。
第118条 第六条、第五十六条、第六十三条又は第六十四条の二の規定に違反した者は、これを一年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。
A 第七十条の規定に基づいて発する厚生労働省令(第六十三条又は第六十四条の二の規定に係る部分に限る。)に違反した者についても前項の例による。
第119条 次の各号のいずれかに該当する者は、六箇月以下の懲役又は三十万円以下の罰金に処する。
一 第三条、第四条、第七条、第十六条、第十七条、第十八条第一項、第十九条、第二十条、第二十二条第四項、第三十二条、第三十四条、第三十五条、第三十六条第六項、第三十七条、第三十九条(第七項を除く。)、第六十一条、第六十二条、第六十四条の三から第六十七条まで、第七十二条、第七十五条から第七十七条まで、第七十九条、第八十条、第九十四条第二項、第九十六条又は第百四条第二項の規定に違反した者
二 第三十三条第二項、第九十六条の二第二項又は第九十六条の三第一項の規定による命令に違反した者
三 第四十条の規定に基づいて発する厚生労働省令に違反した者
四 第七十条の規定に基づいて発する厚生労働省令(第六十二条又は第六十四条の三の規定に係る部分に限る。)に違反した者
第120条 次の各号のいずれかに該当する者は、三十万円以下の罰金に処する。
一 第十四条、第十五条第一項若しくは第三項、第十八条第七項、第二十二条第一項から第三項まで、第二十三条から第二十七条まで、第三十二条の二第二項(第三十二条の三第四項、第三十二条の四第四項及び第三十二条の五第三項において準用する場合を含む。)、第三十二条の五第二項、第三十三条第一項ただし書、第三十八条の二第三項(第三十八条の三第二項において準用する場合を含む。)、第三十九条第七項、第五十七条から第五十九条まで、第六十四条、第六十八条、第八十九条、第九十条第一項、第九十一条、第九十五条第一項若しくは第二項、第九十六条の二第一項、第百五条(第百条第三項において準用する場合を含む。)又は第百六条から第百九条までの規定に違反した者
二 第七十条の規定に基づいて発する厚生労働省令(第十四条の規定に係る部分に限る。)に違反した者
三 第九十二条第二項又は第九十六条の三第二項の規定による命令に違反した者
四 第百一条(第百条第三項において準用する場合を含む。)の規定による労働基準監督官又は女性主管局長若しくはその指定する所属官吏の臨検を拒み、妨げ、若しくは忌避し、その尋問に対して陳述をせず、若しくは虚偽の陳述をし、帳簿書類の提出をせず、又は虚偽の記載をした帳簿書類の提出をした者
五 第百四条の二の規定による報告をせず、若しくは虚偽の報告をし、又は出頭しなかつた者

強制労働⇒117条 中間搾取・最低年齢違反⇒118条 労働時間・休日・休憩・割増賃金違反⇒119条 労働条件明示義務違反・休業手当未払⇒120条

民事上の賠償責任
労働基準法違反は民事訴訟による損害賠償請求の対象になります。未払残業代や不当解雇は何百万円に、過労死や高度障害による被害については億単位となることもあります。
会社に対する賠償責任について裁判所が判断をする際には、政府厚生労働省のガイドラインも参照されますので、会社が労働基準法さえ守っていれば民事上の責任を負うことは全くないということでもありません。



労働基準法があてはまる労働者
労働基準法は、正社員だけではなく、アルバイト、パート、派遣社員など、労働者全てに適用されます。
(事業または事業所に使用されていることと賃金が支払られることを充たすと労働基準法上労働者に当たります)
「自分は学生アルバイトだから労働基準法は関係ない」などということはありません。アルバイト労働者は、正社員よりも社会的にさらに弱者と評価することができます。ですから、正社員よりもさらに保護性は高いといえます。そのため、アルバイトの場合は、労働基準法に加重して、さらに「パートタイム・有期雇用労働法」による保護が計られているという訳です。
労働基準法概要
1章
総則
2章
労働契約 契約期間や労働条件の明示、解雇制限と予告
3章
賃金規定 支払5原則※、休業手当、最低賃金
4章
労働時間、休憩、休日 時間外、三六協定、年次有給休暇、割増賃金
5章
安全と衛生 労働安全衛生法による
6章
年少者保護
6章の2
妊産婦への保護
7章
技能者の育成 職業訓練
8章
災害補償 療養、休業、障害等の補償と審査
9章
 就業規則 作成、労働協約・労働契約との関係
10章
寄宿舎、、
11章
監督機関
12章
雑則
※支払5原則 1 通貨払 2 直接払 3 全額払 4 毎月払 5 同一支払日
業務委託契約の請負人
企業で働いていても、労働契約を雇い主と締結していない形態として、業務委託契約を締結している個人事業主がいます。
業務委託契約の場合は労働基準法が適用されませんので、労働基準法の規定を免れるためにあえて人を雇うときに労働契約を締結せずに、業務委託契約を締結することが考えられます。社会保険制度の負担を回避する目的のこともあります。しかし、契約締結時に、業務委託契約書と題した書面で契約すれば労働契約ではないと安易に考えることは軽率といえます。
「労働者」か「請負人」かは、契約の形式ではなく、働いている現場(勤務実態)での実質を見て、使用従属性があるかどうかで判断されます。
請負人は次のような点で、労働者と異なっています。
・仕事をするか、どうかの決定権がある
・会社からの指示を受けず、出勤時間が自由である。
・代わりの人に業務を行わせることができる。
・仕事の成果に対して報酬が払われる。
・道具・機械などを自ら調達する。
・一般に報酬が高い。

賃金
最低賃金:地域別最低賃金(都道府県ごと)と特定最低賃金(都道府県が特定産業ごとに指定する)の2種類があります。
休業手当:雇用者の都合で労働者を休ませる場合、民法によると100%の支払を受けられるはずですが、労働基準法では60%が補償されることになっています。ただし民法における支払は双方の合意で変更できますが、労働基準法に基づく補償は支払が強制的です。労働基準法が民法に優先して適用されます。
平均賃金:休業手当や年次有給休暇、解雇予告手当を計算するときなどに、過去3か月間の平均賃金を用います。
割増賃金:労働基準法の上限労働時間を超えて働いた仕事に対する賃金には割増がなされます。
@ 時間外割増賃金 1日8時間または週40時間を超えた分 25%
A
ひと月60時間を超えた時間外労働 50%
B 休日労働割増賃金 法定休日(1週1日、4週4日)の労働 35%
C 深夜労働割増賃金 深夜10時から翌朝5時の労働 25%
@+C=50% B+C=60% @+B=35%(複合しない)
Aについて、労使協定で定め、代替休暇をあたえることによって割増率を25%にすることができます。



労働時間

労働基準法第32条 使用者は、労働者に、休憩時間を除き一週間について四十時間を超えて、労働させてはならない。
A 使用者は、一週間の各日については、労働者に、休憩時間を除き一日について八時間を超えて、労働させてはならない。
労働時間は、1日8時間、1週間40時間が原則とされています。

特例事業場は週44時間(常時使用労働者10人未満の商業・映画演劇業・保健衛生業・接客娯楽業)
超過分(この時間を超えた時間)は、三六協定があれば、超過分が残業代支払い対象になり、三六協定がないのなら労働基準法違反となる。
労働時間とは
使用者の指揮命令下に置かれている時間のこと(平成12年3月9日最高裁判決)
使用者の明示的・黙示的な指示により労働者が業務を行う時間は労働時間にあたります。
労働時間について、労働契約や就業規則などに定めがあったとしても、形式的にその時間だけが労働時間とされるのではなく、客観的にみて、会社や上司から仕事に関連して、行うように義務付けられた行為といえるかどうかによって、労働時間に当たるかどうかが判断されます。
具体例
 制服や作業着など仕事に必要な服装に着替えるように決められており、仕事を始めるにあたって職場の更衣室などで着替える準備行為
 業務後の仕事場の清掃といった後始末行為
 電話があったり、上司から指示されたらすぐに応対しなくてはならないような、労働から離れることが保障されていない手持時間
 業務上参加が義務付けられている研修や訓練への参加

変形労働時間制
職種によっては、一週間のうちに特に忙しい曜日があったり、ひと月のうちの月末だけは忙しい、あるいは1年のうち秋に人手が欲しいといったように、ある期間に仕事が集中するものがあります。こうした職種にも一律的な時間制限を定めるの適切ではありません。こうした職業に対応するために、例外的な変形労働時間制を定めることができます。


 1年単位 1カ月単位 1週間単位 フレックスタイム制
条文 労働基準法第32条の4 労働基準法第32条の2第2項 労働基準法第32条の5第3項
制度概要 1年以内の対象期間中を定め、期間中の労働時間が平均週40時間以内であること。
ただし@1日10時間以内 A1週間計52時間以内(対象期間が3か月以上なら48時間以上は連続3回) B1年の日数280日以内 C連続労働6日以内の制限あり
1か月(31日)以内の対象期間を定める。期間中における週平均労働時間が40時間以下であること 任意の1週間を対象期間として、対象期間の前日までに、一週間のスケジュール(各曜日の労働時間)を書面で通知します。
常時使用労働者30人未満の小売業、旅館、料理店、飲食店に限られています。
清算期間(上限3か月)を定める。清算期間中に働く時間の総枠を定める。
労働者が各自、出社・退社時間を決める。
必ず出社する時間(コアタイム)をを指定することができる。
時間緩和 1日8時間、週40時間を超えることができる 1日8時間、週40時間を超えることができる 週40時間の範囲内で、1日10時間まで労働可 清算期間中の総枠を超えるまで時間外にならない
計算 対象期間最高労働時間=40時間×対象期間総日数÷7日
【対象期間を1年(365日)と定め場合、計算式により最高時間は2085時間となる。6か月(182日)なら1040時間になる。】
特定期間を4月1日から4月30日の30日間と定めた場合
40時間×特定期間日数30日÷7日=171.4
つまり、特定期間における労働時間が、171時間を超えた分がは超過分となる。
1週間のスケジュールが、月曜休み、火曜から金曜までの合計が20時間であれば、たとえ土曜日と日曜に各10時間労働したとしても超過分は生じない。 総枠の上限
清算期間総枠=1週間の法定労働時間40(44)時間×清算期間の歴日数÷7日
(清算期間が1か月を超える場合は特例事業であっても1週40時間)

 1日時間上限 10時間
10時間
1週間時間上限 52時間(3か月超の場合、48時間以上は連続3回まで)


1カ月以内の週
平均労働時間
40時間 40時間(特例事業44) 40時間 40時間(特例事業44)
休日付与日数 週1日 連続日数6日 週1日 (4週4日) 週1日(4週4日) 週1日(4週4日)
時間の会社指示
出勤退勤個人
選択



就業帰属で労働
日時明記



労使協定の締結 △(または就業規則)
労使協定の監督
署届出
△(または就業規則)
事業の特定及び
規模


労働者30人未満の特定事業のみ
(小売業者・旅館・料理店・飲食店)

10人以上就業
規則変更届提
〇10人未満でも準規定要
協定届書式
(厚生労働省ホーム
ページより)
労使協定の記載内容
@フレックスタイム適用社員
A清算期間(3か月以内)
B清算期間の総労働時間
C標準となる労働時間
Dコアタイム
Eフレキシブルタイム

三六協定
三六(サブロク)とは労働基準法第36条のことです。
時間外労働や休日労働を社員にさせるためには、従業員代表者又は労働組合と、この労使協定を結ばなければなりません。
この協定がないにもかかわらず時間外労働をさせたとすると、その時点でアウトです。
三六協定の内容
・時間外労働を行う業務の種類 ・理由 ・労働者数 ・1日最高残業時間 ・一定期間の最高残業時間 ・有効期限
三六協定を結んだとしても超えてはいけない残業時間 月45時間 年間360時間

ただし、特別の理由があるときは、臨時的に特別条項を定めることができる。

特別条項
年間720時間以内 
時間外と休日労働の合計月100時間未満
時間外と休日労働の合計が、2〜6カ月の複数月平均がいずれも80時間以内※
月間45時間を超える回数年6回以下
※連続した6か月間平均 5か月平均 4か月平均 3か月平均 2か月平均のいずれもが80時間を超えてはいけない。
 時間外労働が上限を超えている例
  4月から9月までの6か月間平均を取ったら81時間だった
  6月から8月までの3か月間平均を取ったら81時間だった
  7月8月の2か月間の平均をとったら81時間だった

 建設事業で、災害の復旧・復興事業の場合は適用外
 自動車運転業務は、年間上限960時間、他の特別条項は適用外

臨時的とは
厚生労働省 通達平成30年12月28日基発1228第15号
法第 36 条第5項に規定する「通常予見することのできない業務量の大幅な増加等に伴い臨時的に第三項の限度時間を超えて労働させる必要がある場合」とは具体的にどのような状態をいうのか。
「通常予見することのできない業務量の大幅な増加等に伴い臨時的に第三項の限度時間を超えて労働させる必要がある場合」とは、全体として1年半分を超えない一定の限られた時期において一時的・突発的に業務量が増える状況等により限度時間を超えて労働させる必要がある場合をいうものであり、「通常予見することのできない業務量の増加」とは、こうした状況の一つの例として規定されたものである。
その上で、具体的にどのような場合を協定するかについては、労使当事者が事業又は業務の態様等に即して自主的に協議し、可能な限り具体的に定める必要があること。
なお、法第 33 条の非常災害時等の時間外労働に該当する場合はこれに含まれないこと。
認められるもの 認められないもの
予算・決算業務
業務繁忙(予期せずにボーナス商戦に伴った場合)
納期のひっ迫
大規模なクレーム対策
機械トラブル
使用者が必要と認めた(事由限定なし)
業務繁忙(事由限定なし)

限度時間を超える場合、健康・福祉の措置が必要になります。
@医師による面接指導 A深夜業回数制限 B インターバル(終業から次の始業までの休息時間確保) C代償休日・特別休暇付与 D健康診断 E連続休暇取得 F相談窓口設置 G配置転換 H産業医などの助言指導


労働基準法第36条  
1 使用者は、当該事業場に、労働者の過半数で組織する労働組合がある場合においてはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がない場合においては労働者の過半数を代表する者との書面による協定をし、厚生労働省の定めるところにより、これを行政官庁に届け出た場合においては、第32条から第32条の5まで若しくは第40条の労働時間(以下この条において「労働時間」という。)又は前条の休日(以下この項において「休日」という。)に関する規定にかかわらず、その協定で定めるところによつて労働時間を延長し、又は休日に労働させることができる。
2 前項の協定においては、次に掲げる事項を定めるものとする。
@この条の規定により労働時間を延長し、又は休日に労働させることができることとされる労働者の範囲
A対象期間(この条の規定により労働時間を延長し、又は休日に労働させることができる期間をいい、1年間に限るものとする。第4号及び第6項第3号において同じ。)
B労働時間を延長し、又は休日に労働させることができる場合
C対象期間における1日、1箇月及び1年のそれぞれの期間について労働時間を延長して労働させることができる時間又は労働させることができる休日の日数
D労働時間の延長及び休日の労働を適正なものとするために必要な事項として厚生労働省令で定める事項
3 前項第4号の労働時間を延長して労働させることができる時間は、当該事業場の業務量、時間外労働の動向その他の事情を考慮して通常予見される時間外労働の範囲内において、限度時間を超えない時間に限る。
4 前項の限度時間は、1箇月について45時間及び1年について360時間(第32条の4第1項第2号の対象期間として3箇月を超える期間を定めて同条の規定により労働させる場合にあつては、1箇月について42時間及び1年について320時間)とする。
5 第1項の協定においては、第2項各号に掲げるもののほか、当該事業場における通常予見することのできない業務量の大幅な増加等に伴い臨時的に第3項の限度時間を超えて労働させる必要がある場合において、1箇月について労働時間を延長して労働させ、及び休日において労働させることができる時間(第2項第4号に関して協定した時間を含め100時間未満の範囲内に限る。)並びに1年について労働時間を延長して労働させることができる時間(同号に関して協定した時間を含め720時間を超えない範囲内に限る。)を定めることができる。この場合において、第1項の協定に、併せて第2項第2号の対象期間において労働時間を延長して労働させる時間が1箇月について45時間(第32条の4第1項第2号の対象期間として3箇月を超える期間を定めて同条の規定により労働させる場合にあつては、1箇月について42時間)を超えることができる月数(1年について6箇月以内に限る。)を定めなければならない。
6 使用者は、第1項の協定で定めるところによつて労働時間を延長して労働させ、又は休日において労働させる場合であつても、次の各号に掲げる時間について、当該各号に定める要件を満たすものとしなければならない。
@坑内労働その他厚生労働省令で定める健康上特に有害な業務について、1日について労働時間を延長して労働させた時間 2時間を超えないこと。
A1箇月について労働時間を延長して労働させ、及び休日において労働させた時間 100時間未満であること。
B対象期間の初日から1箇月ごとに区分した各期間に当該各期間の直前の1箇月、2箇月、3箇月、4箇月及び5箇月の期間を加えたそれぞれの期間における労働時間を延長して労働させ、及び休日において労働させた時間の1箇月当たりの平均時間80時間を超えないこと。
7 厚生労働大臣は、労働時間の延長及び休日の労働を適正なものとするため、第1項の協定で定める労働時間の延長及び休日の労働について留意すべき事項、当該労働時間の延長に係る割増賃金の率その他の必要な事項について、労働者の健康、福祉、時間外労働の動向その他の事情を考慮して指針を定めることができる。
8 第1項の協定をする使用者及び労働組合又は労働者の過半数を代表する者は、当該協定で労働時間の延長及び休日の労働を定めるに当たり、当該協定の内容が前項の指針に適合したものとなるようにしなければならない。
9 行政官庁は、第7項の指針に関し、第一項の協定をする使用者及び労働組合又は労働者の過半数を代表する者に対し、必要な助言及び指導を行うことができる。
10 前項の助言及び指導を行うに当たつては、労働者の健康が確保されるよう特に配慮しなければならない。
11 第3項から第5項まで及び第6項(第2号及び第3号に係る部分に限る。)の規定は、新たな技術、商品又は役務の研究開発に係る業務については適用しない。
特別条項なし 特別条項あり

休日
休日は1週間に1日、または4週間え4日以上与えなくてはならず(35条1項)、この法律によって定まっている休日のことを法定休日といいます。この法定休日以外の休日を法定外休日といいます。
祝日や年末年始の休暇がこれにあたります。
多くの会社は週休2日と定めています。一日の労働時間を8時間と定めると、5日間で40時間になります。
1週間あたりの労働時間に40時間という制限があるため、多くの会社では週休2日としています。
法定休日は年間52日(53日)となります。(365日÷7)
一日の労働時間を8時間未満とすると、週休1日にすることもできることになります。
法定休日に出勤すると、通常の賃金が35%増しになります。

振替休日:休日と労働日を事前に交換することです。単に休日が移動するだけなので、割増賃金は生じません。
代休:法定休日に出勤し、その後に代わりに通常の出勤日を休みにします。法定休日に働いているので割増賃金をプラスした賃金が生じます。しかし代休日には仕事をしていませんので、その通常出勤日の労働に対する賃金が引かれます。結局、割り増し分(35%分)がプラスされることになります。


休憩
「休憩時間」とは使用者の指揮監督下にない時間のことです。
労働時間が6時間を超える場合は45分以上、8時間を超えるときは1時間以上を途中に与えなければなりません。

休憩時間は、労働者が自由に利用できる時間なので、電話応対をしなければならないのであれば、それは休憩とはいえません。もっとも、何でも自由にしてもいい訳ではなく、職場の安全管理上の制限には服さねければなりません。
休憩時間は一斉にすることが原則ですが、業種によっては各自の休憩時間をずらして与えることができます。
 (運輸交通業・商業(小売店)・金融広告業・通信業・保健衛生業(病院)・接客娯楽業(飲食店)・官公署)
他の業種であっても、労使協定によって一斉に与えないことにできます。