労働問題 |
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1. 労働条件の問題 賃金: 不当に低い賃金、給料未払い、残業代未払いなど。 労働時間: 違法な残業、長時間労働、休憩時間の不足、休日労働の強制など。 2. 職場環境の問題 ハラスメント: セクシャルハラスメント、パワーハラスメント(いじめや嫌がらせ)、モラルハラスメント(精神的虐待)など。 待遇差別: 性別、人種、宗教、障害などに基づく不当な職場待遇の差別。 3. 雇用の安定性に関する問題 不当解雇: 正当な理由のない解雇。 リストラ: 経済的な理由からの大量解雇。 4. 労働安全衛生 労働災害: 職場での事故や病気。 作業環境: 有害物質による汚染環境下での労働、過剰な騒音など。 問題の解決策とサポート 労働組合: 労働者によって構成される、労働条件の改善や職場環境の問題解決を目指す組織。 労働基準監督署・都道府県労働局: 労働基準法等の法令違反の申告や相談、あっせんを行う行政機関。 法的措置: 裁判所への訴訟提起。 各企業に設けられる相談窓口: 窓口を設けている会社の場合の相談受付。
会社内で起こる労働問題は、従業員の健康、幸福、生産性に大きな悪影響を与えることもあります。それによって労働力が低下すると企業自体の発展成長が鈍くなり、ついには社会全体の福祉にも影響を与えます。 何かの問題が社内で起こっても、被害を受けている従業員さえ我慢していれば、職場内は平静安泰でいられるという考えは間違っています。 会社がその様に考えて、会社ぐるみで問題を隠ぺいしたり、被害者側に圧力をかけ、辞職を迫ることさえあります。しかし結局のところ、会社の管理体勢が不十分の状態は今後も続くので、いつか問題が肥大化して、公になり、会社に致命的なダメージを与えることになります。 また被害者自身がその様に考えてしまうこともあります。「自分さえ我慢すれば」とか、「自分が辞めれば」という考えをしても、会社の体勢が良くなるわけではなく、次の自分のような被害者の誕生を手助けしていることになりかねません。 ただでさえ披露しきっている状態で、会社(あるいは上司)を相手に抵抗することは容易ではありません。それでも、医者や法律家などの専門家に相談することはできるかもしれません。休日に対応してくれるところもあります。 (まほら法律事務所でも、夜間や休日といった執務時間外であっても、携帯電話(070−2228−0402)による対応は受けています。事前に予約いただくと、夜間や休日でも法律相談が可能です。) 会社側としては、自分の会社内では起こるはずがないと思い込んだり、大した問題ではないと放置するのではなく、労働問題が発生しない職場環境づくり、相談窓口の設置、管理体勢の見直しに積極的でなければなりません、適切に対処し、公正で健全な労働環境を確保することは非常に重要です。 従業員全員にも健全な環境づくりを作り上げるための責任があります。隠ぺいに積極的に協力したり、上司と一緒になってパワハラに加わることは全くの論外だとしても、自分や職場仲間が、被害に遭っているにもかかわらず事を荒げないようにただ黙っているだけの場合であっても、隠ぺいに協力していることになるかもしれません。こうした態度は、職場を良い場所にすることに貢献しているというよりも職場をもっと悪いところにすることに手を貸していると非難されかねません。 企業の成長を真剣に考えている雇用者は、社内に相談窓口を設け、相談したことによる不利益待遇の防止、秘密保持に配慮しつつ、真剣に従業員からの相談に応じる体制を整えます。 職場環境を快適なところにするための、問題に悩んでいる従業員、それを見ている周囲の同僚、直接の上司たちの勇敢な行動は大変貴重です。 弁護士も、使命が基本的人権の擁護と社会正義の実現にありますので、誰もが快適と感じられる職場環境づくりのためにできる限りの努力を払うこと惜しみません。 |
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雇用問題 |
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労働基準法によって、労働時間の上限は一日8時間、一週間40時間と決められています。この時間を超えて従業員を労働させるにはサブロク協定(労働基準法36条)の締結が必要です。また有給休暇に関する規定や、育児・介護に関する法律も施行されています。 雇用主はこうした制度を遵守しなければなりませんし、労働者も自己の権利について無関心になるのではなく常に情報を取り入れて適切な主張をすることが大切です。 会社は、従業員の労働時間の記録を付けることが義務付けられています。 ただし職種によっては、労働協約を結ぶことによって、あらかじめ定めた時間を働いたとみなす制度があります。
未払い残業代 「うちは残業代出ないからね」と、雇い主から最初に言われた言葉を真に受けて、残業をしているのに残業代を全く受け取っていない従業員がいるかもしれません。残業代が払われない労働者は法律で定められた特定の場合に限定されており、いくら雇い主が残業代はないと言ったとしても、その言葉に効力はありません。
未払い残業代の問題は、労働者の生活と健康に、何よりも精神に深刻な影響を与えます。働いた労力に対する賃金を受け取ることは労働者の権利です。労働者自身が自らの権利を理解し、適切な手段で権利を主張することが重要です。また、企業は、労働者が実際に働いた時間に応じて適切に残業代を支払う責任があります。この責任には、時間外労働の正確な記録、残業代の計算と支払いの透明性の確保、労働基準法の遵守が含まれます。 過労問題 過労とは、長時間労働や過度の仕事のストレスが原因で生じる身体的、精神的な疲労や健康障害のことです。を指します。 過労の背景には、以下のような要因があります。
不当解雇 従業員を雇うときは比較的自由であるのに対して、一旦雇った従業員を解雇することは容易にはできません。 解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効となります。
解雇が無効とされると、従業員が職場に来られなかった期間に対しても賃金の支払いがなされます。 企業側からすると相当と認められる解雇をするにはどのような手続きを踏む必要があるでしょうか。 解雇をされた側からすると解雇は有効だったのか、結論が出るまでの期間に生活するために別の仕事を探すべきなのか、仮に解雇が無効と判断された場合には職場へ復帰すべきだろうか、居場所がないのではないかなどが悩みどころです。 今の労働市場における従業員と雇用主の関係は、ひと昔前に比べて大きく変化しています。かつては雇用主の立場の方が従業員よりも優位で、従業員は比較的弱い立場にあると考えられていました。しかし近年、労働者の権利を保護し、促進するための法律やガイドラインが多数制定されています。こうした社会の動きによって、従業員は自分の権利を効果的に行使し、守ることが可能になってきました。 企業側には、法令を遵守しつつ、適切な労働環境を提供することが強く求めらるようになってきました。法改正への対応、透明性の確保、継続的な教育と訓練、適切な労働環境の提供など、対策すべきことがたくさんあります。 従業員と企業双方が、時代と法律の流れに乗り、互いの権利と義務を理解し尊重することで、公正で生産的な労働環境を実現できます。 |
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ハラスメント・職場環境・社内問題 |
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ハラスメントの主な形態 パワーハラスメント(パワハラ) 身体的攻撃・精神的攻撃・人間関係の切り離し・過大要求・過少要求・個の侵害
対価型:不適切な身体接触や性的な関係を強要し、拒んだ場合に不利益に扱う。 環境型:性的な言動によって職場環境が害される。 制裁型:性別を理由とした圧力をかける。 妄想型:自分に行為があると勘違いしてつきまとう。
モラルハラスメント(モラハラ) 精神的苦痛を引き起こすための反復的な攻撃や批判。威嚇、脅迫、人格の否定。マタニティハラスメント 妊娠、出産、育児休暇を理由とした差別や嫌がらせ。職場復帰後の不当な扱い。 会社自身が迅速で明白な対応をすることが理想的ですが、時には加害者が「認識がない」、「被害者の同意があった」と主張するなど、問題が複雑な場合があります。対応が期待できない場合、弁護士等の専門家に相談することが推奨されます。 |
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