刑事事件 |
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(被疑者とは裁判所に起訴されるまえの犯罪の嫌疑がかけられている人をいい、被告人とは起訴された後の当人のことをいいます。) 弁護人の役割 1. 法的代理とアドバイス 弁護士は、被疑者や被告人に代わって法律上の代理人として行動します。警察官や検察官から捜査を受けるにあたり、被疑者に与えられている権利を明確にし、法律的なアドバイスを提供します。今後の手続きの流れについても説明します。 2. 権利の保護 警察の取り調べや裁判所での手続きにおいて、被疑者や被告人の権利が侵害されないように監視します。例えば、沈黙権の行使や、適正な法的手続きによる裁判が行われるよう注意を払います。 3. 外部との連絡 身柄を拘束された場合、直後から接見(面会)ができるのは弁護人だけです。家族との連絡や仕事を調整するために外部の人との連絡役をします。その際、本人の意思を確認し、秘密が守られるように配慮をします。 4. 精神的支え 厳しい取り調べがあった場合に、心が折れて自己に不利な供述をしてしまうことがないよう必要な励ましを与えます。 5. 証拠の収集と分析 弁護士は、事件に関連する証拠を収集し、それらを分析して被疑者や被告人の無実を証明したり、あるいは過度な刑罰を受けことがないよう戦略を立てます。不利な証拠に対しては、その信頼性や妥当性を検証します。 6. 裁判での代理 被疑者や被告人を代表して裁判所に出廷し、弁論を行います。証拠の提示、証人尋問、法的な議論を通じて、被告人の立場を最大限に擁護します。 7. 交渉 被害者と示談をし、後悔の念を伝えます。これにより刑罰が軽減される場合があります。 8. 判決後のサポート 判決後も、控訴手続きのアドバイスや執行猶予中の支援など、クライアントに対するサポートを続けます。 |
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少年事件 |
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少年事件は、捜査の段階では成年による事件と同様の手続きが取られますが、家庭裁判所に送致され、その後は一般の刑事手続きとは異なり、少年審判という少年法に基づく特別な手続きを経ます。この審判は非公開で行われ、少年のプライバシーと将来を守ることに配慮されています。 少年事件の取り扱いにおいては、少年の年齢、背景、犯した行為の性質など、個々の事情が総合的に考慮されます。目的は、罰することではなく、少年が非行を繰り返さないよう支援し、社会に再び適応できるようにすることにあります。 少年法に基づく処分には、不処分、保護観察処分、少年院送致、児童自立支援施設等送致、検察官送致があります。 これらの措置は、少年を矯正するためのものであり、成人犯罪者に対する刑罰とは異なる性質のものです。 弁護士は、付添人として事件に関与し、適切な処分がなされるように弁護を行い、また裁判所と協力して少年をサポートをします。また、犯罪を繰り返すことがないよう、環境整備などにも協力します。 |
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