婚姻の効果


婚姻の成立

婚姻の効果


民法第739条
婚姻は、戸籍法(昭和22年法律第224号)の定めるところにより届け出ることによって、その効力を生ずる。
前項の届出は、当事者双方及び成年の証人2人以上が署名した書面で、又はこれらの者から口頭で、しなければならない。

婚姻の成立
婚姻要件とは、法律的に有効な婚姻を成立させるために必要な条件のことです。民法に基づく婚姻の成立要件は以下の通りです。
1.婚姻意思の合致
婚姻をする男女の双方に婚姻の意思があることが必要です。ですから強制や詐欺による婚姻は無効となります。
2.婚姻障害の不存在
@婚姻適齢(民法第731条):婚姻できる年齢は、男女ともに18歳以上です。未成年者の婚姻には父母の同意が必要と以前はされていましたが、成人年齢が18歳となったため、未成年の婚姻というもの事態が存在しないことになりました。したがって、親の同意がなければ結婚ができないということはありません。つまり、高校生夫婦も親の同意なしで可能ということになります。

A重婚の禁止(民法第732条):一夫一妻制
既に婚姻している者は、再婚することはできません。現在の配偶者との婚姻が解消されていることが必要です。
B近親婚の禁止(民法第734条から736条)
近親者間の婚姻は法律で禁止されています。具体的には、直系血族(親子)、兄弟姉妹との婚姻は無効です。
また、養子縁組においても同様の制限があります。
(令和6年4月1日改正民法により、女性の再婚禁止期間は削除されました。)
3.婚姻の届出
婚姻は、当事者双方が婚姻届を市区町村役場に提出することで成立します。届出は口頭ではなく、文書で行う必要があります。婚姻届には、当事者双方の署名・押印および証人2名の署名が必要です。


婚姻の効果
婚姻によって、法律上の効果が生じます。
姻族関係 : 夫婦の一方と、他方の血族との間に親族関係が生じます(725条)
夫婦同氏 : 夫婦は同じ姓を名乗ることになります(750条)。
配偶者相続権 : お互いに相続権を取得します(890条)。
同居・協力・扶助義務 : 夫婦は同居し、互いに協力し、扶助し合う義務が生じます(752条)。
貞操義務 : 義務違反をした場合は、離婚原因となります(770条1項1号)
夫婦財産制 : 婚姻中に二人で得た財産は共有と推定されます(762条)。 婚姻費用の分担(760条)、日常の家事に関する債務の連帯責任(761条)が生じます。
夫婦間の契約取消権 : 夫婦間でした契約は婚姻中取り消すことができます(754条)。実質的に破綻しているときは適用されません