民事再生


民事再生手続の手続き


民事再生法第1条 
この法律は、経済的に窮境にある債務者について、その債権者の多数の同意を得、かつ、裁判所の認可を受けた再生計画を定めること等により、当該債務者とその債権者との間の民事上の権利関係を適切に調整し、もって当該債務者の事業又は経済生活の再生を図ることを目的とする。

民事再生(みんじさいせい)とは、経済的に困難な状況にある個人や企業が再生計画を立て、債務の一部を減免しながら事業
や生活を立て直すことを目的とした法的手続きです。民事再生法に基づいて行われます。民事再生の概要、手続きの流れ、特
徴、メリット・デメリットなどを説明します。


民事再生の概要

民事再生は、主に債務超過や資金繰りの問題に直面しているものの、再建の可能性がある個人または企業が利用する手続きです。原則的に、債務者自身に財産の管理権が残されます。裁判所の監督の下で再生計画を立て、債権者の同意を得て、その計画に基づいて債務の返済を行います。

民事再生の手続き

1. 申立て

申立人: 債務者本人、または債権者が民事再生の申立てを行います。

申立先: 管轄の地方裁判所に申立てを行います。

申立書類: 申立書、財産目録、債権者一覧表、再生計画案などを提出します。

2. 再生手続開始決定

裁判所が申立てを受理し、再生手続の開始を決定します。

再生手続開始決定により、債務者は裁判所の監督の下で事業を継続し、再生計画を立てることができます。

3. 債権者集会

債権者集会を開催し、再生計画案を審議します。

債権者は再生計画案に対して投票し、一定の同意が得られれば計画が承認されます。

4. 再生計画の認可

裁判所が再生計画を認可します。

認可された再生計画に基づき、債務者は債務の返済を開始します。

5. 再生計画の履行

再生計画に基づいて債務の返済を行い、計画が完了するまで事業を継続します。


民事再生の特徴

メリット

事業の継続:

債務者は事業を継続しながら再建を図ることができます。

債務の減免:

債務の一部が減免されるため、返済負担が軽減されます。

法的保護:

再生手続開始決定後、債権者からの強制執行や差押えが停止されます。

デメリット

信用情報への影響:

民事再生の申し立ては信用情報機関に登録され、一定期間クレジットやローンの利用が制限されます。

手続きの煩雑さ:

手続きが複雑で時間がかかるため、専門家の助けが必要です。

再生計画の承認の難しさ:

債権者の過半数の同意を得る必要があるため、計画の承認が得られない場合もあります。

民事再生の適用例

個人再生

個人が住宅ローンなどの高額な債務を抱えている場合、住宅を保有しながら債務を減額することができます。

企業再生

経営困難に陥った企業が、再建計画を立て、事業を継続しながら債務を整理することができます。

まとめ

民事再生は、再建の可能性がある個人や企業が経済的困難から脱するための重要な法的手続きです。裁判所の監督の下で再生
計画を立て、債権者の同意を得て、その計画に基づいて債務を返済することができます。手続きは複雑であるため、専門の弁
護士や司法書士に相談し、適切なサポートを受けることが重要です。