ペットの法律


動物愛護管理法


動物愛護管理法
第1条 この法律は、動物の虐待及び遺棄の防止、動物の適正な取扱いその他動物の健康及び安全の保持等の動物の愛護に関する事項を定めて国民の間に動物を愛護する気風を招来し、生命尊重、友愛及び平和の情操の涵かん養に資するとともに、動物の管理に関する事項を定めて動物による人の生命、身体及び財産に対する侵害並びに生活環境の保全上の支障を防止し、もつて人と動物の共生する社会の実現を図ることを目的とする。

動物愛護管理法


動物愛護管理法は、1973年に制定された法律です。外国の動物愛護団体などから、日本の法律には動物に対する配慮が表れていないと非難されたことから、「動物の保護及び管理に関する法律」が議員立法として成立しました。

とはいっても、捕鯨活動を始め、当時は国としての動物に対する関心は薄く、13しか条文がなく、「努力目標」にしか過ぎない面がほとんどでした。その後、1999年に「保護」が「愛護」に代えられ、2005年、2012年、2019年(令和元年)に改正がなされました。


動物愛護管理法の目的は、生命のある動物に対する愛護精神の育成と、適切な管理です。全ての国民を対象にした動物の扱い、ペット飼育者の責任、動物取扱業者の規制、国や地方公共団体の責務、環境大臣による基本指針策定など、幅広く規制が及んでいます。


動物の所有者・占有者 7条 修正に応じた飼育
動物の健康安全保持
他人への危害や迷惑防止
感染病予防
逸走防止措置
終生飼育
繁殖制限措置
所有者確認措置
39条の8 死亡届
動物取扱業者 8条 飼育についての説明義務
10条 登録義務(第一種)
24条の2の2 届出義務(第二種)
22条 取扱責任者(第一種)
39条の2 マイクロチップ装着
全ての人 36条1項 負傷動物発見者の通報努力
44条 動物虐待禁止
都道府県 35条 引取義務
25条 生活環境保全措置命令
環境大臣 5条 環境基準策定

罰則

罰則がかなり引き上げられており、動物をみだりに殺したり、傷つけたときは懲役が最長5年、罰金が最大500万円となりました。(対象:牛、馬、豚、めん羊、山羊、犬、猫、いえうさぎ、鶏、いえばと、あひる、その他、人が占有している哺乳類、鳥類、爬虫類)

第44条1項 愛護動物をみだりに殺し、又は傷つけた者は、五年以下の懲役又は五百万円以下の罰金に処する。
懲役5年以下は、刑法では横領や業務上過失致死罪などが該当します。


虐待及び遺棄についても、100万円以下の罰金刑、1年以下の懲役刑と、重くなっています。

第44条2項愛護動物に対し、みだりに、その身体に外傷が生ずるおそれのある暴行を加え、又はそのおそれのある行為をさせること、みだりに、給餌若しくは給水をやめ、酷使し、その健康及び安全を保持することが困難な場所に拘束し、又は飼養密度が著しく適正を欠いた状態で愛護動物を飼養し若しくは保管することにより衰弱させること、自己の飼養し、又は保管する愛護動物であつて疾病にかかり、又は負傷したものの適切な保護を行わないこと、排せつ物の堆積した施設又は他の愛護動物の死体が放置された施設であつて自己の管理するものにおいて飼養し、又は保管することその他の虐待を行つた者は、一年以下の懲役又は百万円以下の罰金に処する。
3項 愛護動物を遺棄した者は、一年以下の懲役又は百万円以下の罰金に処する。


その他の法律やガイドライン

狂犬病予防法 登録と予防接種
ペットフード安全法 表示義務や行政による措置
ワシントン条約 絶滅の恐れのある種の輸出入
各都道府県のペット条例 飼い主に対する規制や措置など
環境大臣による基本指針 人とペットの災害対策ガイドライン
家庭動物等の飼養及び保管に関する基準
住 宅 密 集 地 に お け る 犬 猫 の 適 正 飼 養 ガ イ ド ラ イ ン
その他行政法規

マイクロチップ

動物販売業者(ペットショップやブリーダー)には、犬猫を販売する際にマイクロチップを装着し、登録する義務があります。

個人には、装着の義務はありません。しかし装着した場合には登録は義務となります。

また販売業者がら購入したときは、飼い主が変わるので、登録変更が必要となります。

ペットの迷子

落とし物については遺失物法によって処理されます。そのため、拾った人は警察への届出をしなければなりません。しかし迷子動物は、「落とし物」として届けられても、誰かが餌や世話をしなければなりません。

そこで、遺失物法は4条3項によって、ペットは遺失物法の規定から外されており、見つけた人は警察に届けることなく、直接飼い主に返還したり、都道府県動物愛護センターに届けることができます。警察に届けることも可能です。

ペットが逃げ出した場合、警察に連絡することができます。また動物愛護センターや自治体の保健所に連絡を入れて、預かっていないか確認をします。そのほか、怪我をして病院に預けられていたり、死亡して清掃局に引き取られている場合もあります。インターネットで、迷子情報を登録できるサイトもありますので、活用ができると思います。