離婚に関するQ&A集


Q1: 離婚するための手続きにはどのようなものがありますか?
A1: 離婚の手続きには、協議離婚、調停離婚、審判離婚、裁判離婚の4種類があります。協議離婚は夫婦間の話し合いで合意する方法、調停離婚は家庭裁判所での調停を経る方法、審判離婚は家庭裁判所の審判による方法、裁判離婚は家庭裁判所での訴訟による方法です。

Q2: 離婚する際に必要な書類は何ですか?
A2: 離婚届、戸籍謄本、身分証明書が基本的に必要です。調停離婚や裁判離婚の場合、調停申立書や訴状、その他の関連書類も必要になります。

Q3: 財産分与とは何ですか?
A3: 財産分与とは、離婚に際して夫婦が共同で築いた財産(共有財産)を公平に分配することです。現金、不動産、車、株式などが対象となります。家の名義が夫になっている場合でも、実質的共有財産として財産分与の対象になる場合もあります。

Q4: 親権はどのように決められますか?
A4: 親権は、子供の利益を最優先に考えて決められます。親権者の決定は、協議離婚の場合は夫婦間の話し合いで、調停や裁判の場合は家庭裁判所が判断します。

Q5: 養育費の計算方法は?
A5: 養育費は、親の収入や生活費、子供の年齢や必要な教育費用などを考慮して決定されます。標準的な計算方法として、養育費算定表が用いられることが多いです。子供の年齢が20歳まで払われるのが実務ですが、子供を大学に進学させることが夫婦の一致した考えであった場合などは大学卒業までの養育費が払われることもあります。

Q6: 離婚における慰謝料とは何ですか?
A6: 慰謝料とは、離婚に伴う精神的苦痛に対する賠償金です。不貞行為や暴力などが原因で離婚する場合に、加害者側が被害者側に支払うことが一般的です。不貞の場合の慰謝料相場は50万円から300万円程と幅広くなっています。不貞の悪質さ、婚姻期間の長さ、子供の有無、離婚に至ったか、反省の程度など様々な要素から判断するためです。

Q7: 離婚後の面会交流はどのように決められますか?
A7: 離婚後の面会交流については、親権者と非親権者の間で協議して決めます。合意が難しい場合は、家庭裁判所の調停や裁判で面会交流の具体的な日時や頻度が決定されます。

Q8: 離婚に伴う税金や年金の手続きはどうなりますか?
A8: 離婚に伴う税金や年金の手続きについては、財産分与や慰謝料に対する税金、年金分割の手続きなどがあります。具体的な手続きについては、税理士や年金事務所に相談すると良いでしょう。

Q9:離婚後、氏はどうなりますか。
A9:婚姻時に氏を変更した側は、離婚をすると、原則として氏は旧姓に戻ります。離婚後3か月以内に届出をすることで、婚姻時の氏を名乗り続けることができます。

Q10: 離婚において有責配偶者からの離婚請求は認められますか?
A10: 有責配偶者(浮気や不貞など、離婚の原因を作った側)からの離婚請求は、一般的に認められにくいです。しかし、幼い子供がいない、長期間(目安4,5年)別居しているなど特定の条件を満たす場合、裁判所が離婚を認めることもあります。

Q11: 離婚の際、弁護士を雇う必要はありますか?
A11: 協議離婚の場合、弁護士が必須ではないことが多いですが、調停や裁判になると専門的な知識が必要になります。また、財産分与や養育費、慰謝料などの交渉で複雑な問題が発生する場合には、弁護士を依頼することが有効です。

Q12: 離婚後の配偶者が再婚した場合、養育費はどうなりますか?
A12: 一般的に、離婚後に元配偶者が再婚しても、養育費の支払い義務は変わりません。養育費は子供の生活を支えるためのものであり、子供の親である限り、再婚したとしてもその責任は続きます。ただし、再婚相手が養子縁組を行った場合には状況が変わることがあります。

Q13: DVが理由で離婚を考えています。どんな手続きが必要ですか?
A13: DV(ドメスティック・バイオレンス)が理由で離婚を検討している場合、まず安全を確保することが最優先です。家庭裁判所に対して保護命令を申請し、必要に応じて避難場所を確保します。その後、調停や裁判を通じて離婚手続きを進めることが推奨されます。弁護士に相談し、専門的な支援を受けることが重要です。

Q14: 離婚後、元配偶者が養育費を支払わない場合はどうすればよいですか?
A14: 離婚合意書を公正証書で作成している場合や調停が成立しているのであれば、元配偶者が養育費の支払いを滞らせた場合、家庭裁判所に申し立てて「履行勧告」や「強制執行」を行うことができます。これにより、給与の差し押さえなどの法的措置が取られることがあります。弁護士に相談することで、より適切な対応策を講じることができます。

Q14: 離婚調停が不成立となった場合、どうなりますか?
A14: 調停が不成立となった場合、次のステップとして裁判離婚が行われます。裁判では、裁判官が夫婦の主張や証拠を元に、最終的な離婚の可否や条件を決定します。裁判では調停よりも時間と費用がかかるため、調停での解決が望ましいとされていますが、合意に至らない場合には裁判が不可避となります。

Q15: 婚姻期間が短い場合でも財産分与は発生しますか?
A15: 婚姻期間が短くても、夫婦が共同で築いた財産については財産分与が発生します。ただし、婚姻期間が短い場合、分与される財産の範囲や割合が少なくなることが一般的です。個別の事情によって異なるため、専門家に相談することが重要です。

Q16: 離婚後の養育費の増額や減額は可能ですか?
A16: 養育費の増額や減額は、状況の変化(例えば、支払者の収入減少、子供の教育費増加など)に応じて可能です。変更が必要な場合は、相手との合意が得られない場合でも、家庭裁判所に申し立てることで変更が認められることがあります。

Q17: 婚姻費用の分担(コンピ)とは何ですか?
A17: 婚姻費用の分担とは、夫婦が別居している場合、婚姻中の生活費や子供の養育費を夫婦が公平に負担するための取り決めです。離婚が成立するまでの間、収入の多い方が生活費を負担する義務があります。これも話し合いで決まらない場合は家庭裁判所に申し立てができます。

Q18: 離婚後に再婚した場合、子供の養育費の支払いはどうなりますか?
A18: 元配偶者が再婚しても、子供に対する養育費の支払い義務は変わりません。養育費は子供の権利であり、親の再婚によってその義務が消えることはありません。ただし、新しい配偶者が養子縁組を行った場合、養育費の支払いに影響が出ることがあります。

Q19: 離婚後の姓を変更しない場合、どのような影響がありますか?
A19: 離婚後に旧姓に戻さず、婚姻時の姓を使い続けることも可能です。これにより、社会的な手続き(銀行口座、運転免許証など)の変更を避けることができます。子供の親権者となった場合に姓を合わせる事もできます。婚姻期間の長さや、周囲からどのように呼ばれているかなどを考慮して、婚姻時の姓を選択するか旧姓に戻すかを決定します。何ら手続をしない場合は旧姓に戻ります。

Q20: 離婚に際して弁護士に依頼した場合、どれくらいの費用がかかりますか。
A20: 各事務所によって異なりますが、着手金として20万円から50万円くらい、報酬金も経済的利益に比例して定められる場合が多く、最終的に50万円から100万円、慰謝料などを多く取得できた場合などはそれ以上必要となる場合があります。事務所によって大きく変わりますので、依頼を決定してしまう前に費用を確認することをお勧めします。